プログラマティックテクノロジーは新しい市場を開拓しただけでなく、広告主、代理店、広告プラットフォーム、さらには媒体社との関係性をさらに強化しています。購買意欲の高いユーザーへのターゲティングや質の高い広告枠の買い付けが可能となるテクノロジーが革新的に進化を遂げていく一方で、広告クリエイティブのテクノロジーについてはまだまだ進化の途中です。

皆さんはダイナミックリターゲティング広告についてご存知ですか?

これは現在では数あるディスプレイ広告の中でも最も広告効果の高いソリューションの一つとして知られていますが、簡単に言うと、サイト訪問者が過去に見た商品やそれに関連する商品をクリエイティブ上で動的に表示する広告です。それを見た人は広告をより自分ごととして受け取ることが出来るので、従来のブロードリーチ系の広告と組み合わせることで、より効率的な広告展開が可能になります。

しかしながらダイナミックリターゲティング広告にも、クリエイティブ面には以下のような大きな課題があります。

1.「適切な広告」と「しつこい広告」の境界線。ブランドイメージ毀損への危惧?

表示される広告クリエイティブは、閲覧サイト・商品のブランドに危害を与える可能性があります。リターゲティング広告の性質上、過去にウィンドウショッピングを楽しんだ人が実際の購入者になるまで広告で追いかけることになるので、そのしつこさゆえに、見た人が「ここはなんてしつこい広告を出すサイトだ」とマイナスイメージを持ってしまったら、せっかく買おうか迷いながらも楽しんでいたはずの購入体験に水を差す可能性があります。

2.「直前の閲覧履歴」=「購入意欲が高い」?直前に見た商品だけが本当に今欲しいモノ?

表示する商品の選択にも改善の余地があります。多くのダイナミックリターゲティング広告は、最後に閲覧した商品を中心にレコメンドされるように設計されていますが、本当にそれがすべてのケースで有効でしょうか?

こんなケースを想像してください。

ある人が、某有名ショッピングサイトで何度も高級ノートパソコンの購入を検討し、悩んだ結果見送ったとします。その数日後、その人が水やお菓子などの日常雑貨をたまたま同じサイトで閲覧した場合、そのダイナミックリターゲティング広告上では何が表示されるでしょうか?ご存知の通り、そこには水やお菓子しか表示されません。こうしたケースでの「広告の価値」はいったい何なのでしょうか?

このような体験からユーザーを守り、より価値の高い広告を提供するために、広告クリエイティブはどのような進化を遂げるべきでしょうか?後編ではプログラマティックテクノロジーと連動した”プログラマティッククリエイティブ”という新しいクリエイティブの概念についてご紹介し、この疑問の解決方法について述べたいと思います。